祈りとあの日のきらめく空と

初めての出産と、18トリソミーと診断された我が子あゆむのこと。           あゆむは2019.1.24にこの世に生まれ、そしてお空に帰っていきました。     地上で生きる天使ママの日記。

壊れた世界の再構築 『<大切なもの>を失ったあなたに』(ロバート・A・ニーメヤー/春秋社)

こんばんは、ナユリゼです。

 

ぼーっとしていたら図書館への返却期限が迫っているので

急いで何冊か読む。

 

今のわたしのテーマは明らかに

 

「大切なものの喪失を無意味なものにしないこと」

 

なので、

まずは喪失に対する悲嘆や反応(グリーフ)、

そして経験談や対処の仕方、

考え方のバリエーション、

そうすることでどうなったかの後日談、

等々が知りたくて、

知ることで何か突破口が見つかるのではないかと藁にもすがりたくて、

助けになるものが欲しくて欲しくて欲しくて、

助けてほしくて、

片っ端から関連していそうな本を探し、図書館で予約。

図書館資料として保有されていないものは

ネットで、古本もしくは新品で購入。

 

わたしは、心底悩んで行き詰ってしまったときは

とにかく本に頼る人間なのです。

そういう性質だからこそ、結構気がまぎれますし、

先人の言葉に助けられることも多いです。

あゆむはそういうわたしの性質も知っているからこそ、

わたしを見込んでママに選んでくれたのかな、

と思ったり。

(でも、それはそれでやりきれないよ、あゆむ。

なんでそんなにママに対してスパルタなの?笑)

 

 『<大切なもの>を失ったあなたに 喪失をのりこえるガイド』

(ロバート・A・ニーメヤー/鈴木剛子:訳/春秋社)

 

という本を読みました。

 

先日読んだ『悲しみがやさしくなるとき』

は、体験記や手記に近い性質の本でした。

ですが、本書はもうすこし学術的&実用的です。

そして、それは著者がそのことを意識して

非常に工夫して本書を書いておられるからです。

 

テーマがテーマだけに、どうしてもこの手の本は

「研究・学術の観点における書物」(病理学的・心理学的など専門性が強く、具体性に乏しくなりがち)

もしくは

「一般向けの書物」(体験談・感情論が中心となり、客観性・汎用性に乏しくなりがち)

と二極化し、

実際カウンセリングなどで用いるための実用性があるとは言えず、

グリーフケアに役立てるには不十分なところもあったようです。

本書はその点を解消しようと熟慮されて書かれたものということが

素人のわたしでもわかるほど。

 

大切なものを喪失する

ということは誰しも経験があるかと思います。

死別だけではなく

仕事、パートナー、ペットなども

それらが当人の人生のかなりの部分を占めていたのであれば

当然強いショックを受け、その人のそれらに占められていた部分は

確実に壊れ、崩れ落ちるので

再構築をしなくてはならないのだ。

 

ということがわたしは初めて分かった気がしてます。

 

喪失には色々なものがあり、

人は生きている限りそれを避けることはできません。

喪失により、

その人の世界は確実に大なり小なり変わります。

 

人はすべてのことにひたすらに自分なりの意味付けをし、

自分なりに納得することでその世界を受け入れ、

そして歩いていくいきものなのです。

 

喪失は、新しい意味付けをし、

新たな、より素晴らしい世界を作り上げるための機会

とも言える。

 

 

あゆむを亡くしてそれほど経ったわけではないわたしには

この考え方をまだ完全に受け入れることは出来ないですが、

でも、おそらく

あゆむはわたしにこういう類のプレゼントを持って、

預けていってくれたんだな、

とも感じています。

 

本書はちょっと難解な部分もありますが、

(著者は、読み手の状況によりそういうところは飛ばして読んでいい、とおっしゃってます)

自分でできるグリーフワークの例をいくつも挙げておられたり、てっとり早く助けが欲しい時にも良い本です。

 

語り口が理路整然と淡々としているのですが、

現場でグリーフケアに携わる方ゆえの熱心さと優しさも

この本には詰まっているように感じました。

 

 

みなさんの宝物が守られ、輝きますように。