グリーフケアを受けて。
こんにちは、ナユリゼです。
今日は
について書いてみようかと思います。
グリーフ
とはなんぞや?
わたしもあゆむの病気の診断と、その後のお別れとを経験するまでは
聞いたこともなかったのです。
直訳すると
(死別などの喪失体験による)悲嘆
という意味になるようですが、
実際はもう少し複雑で、
大きな喪失を経験した時の、心理的・肉体的・認知的・行動的・スピリチュアル
など様々な側面で起こる、その人なりの自然な反応・状態・プロセスのこと。
詳しくは
「グリーフ・サバイバー」
というサイトにこまやかに記載がありますので、ご興味のある方はぜひ。
冷静沈着・分析的・かつそれゆえの優しさを感じるサイトです。
http://www.grief-survivor.com/index.html
現代はコミュニティーの構造も変化し、人々は死に対しなじみがなく、
グリーフを抱える人々が継続した周りからのサポートを受けることは困難です。
「時が解決してくれる」
という言葉は真実ではあるでしょう。
でもそれだけを支えにするにはあまりにも
グリーフのさなかにある日々は過酷すぎます。
近年は日本でも徐々に
「グリーフケア」が注目されてきているようですが、
まだまだ足りていない局面もあると思われます。
わたしはあゆむが18トリソミーであることが分かったときに
妊娠36週に入ったところでしたが、
その時点でこどもの重い病気に対応可能な病院にご紹介いただき、
転院となりました。
この病院では出生と同時に治療が必要となるようなこどもの症例も
おそらく多く、18トリソミーのこどもたちも多く診ておられるようで
思えば病気の告知の時から
出産、あゆむの死、
そしてわたしの入院中の過ごし方、退院後の経過
に至るまで、グリーフケアが徹底して行われていたように感じます。
実際渦中にいたときはそれどころではなかったですが、
(まあ、まだまだ渦中なのは変わらないのですが)
今こうしてブログを書いたりしながら振り返って、
なんて恵まれていたんだろう、
と感謝しています。
<わたしの受けたグリーフケア>
・(18トリソミーの説明を受けて)泣いてしまったわたしに同情ではなく
寄り添うような言葉をかけてくれる。
・わたしの赤ちゃんを普通に何の問題もない赤ちゃんと同様に扱う
・赤ちゃんの容態が良くない時点でのカンガルーケア
・入院中も亡くなった赤ちゃんと一緒に過ごさせてくれる
・赤ちゃんにしてあげたいことを聞いてくれ、提案もしてくれる
・赤ちゃんと一緒に写真をたくさん撮ってくれる
・手形足形を取ったり、赤ちゃんのネームプレートを可愛く作ってくれる
・赤ちゃんの沐浴・清拭をさせてくれる
・小さな赤ちゃんにもピッタリのサイズのお洋服を下さって、着せてくれる
(→同様の経験をしたママさんたちのボランティアで作成されたお洋服です)
http://www.baby-angel.org/天使のブティック
・毎日赤ちゃんの名前を呼んで、話しかけたり笑いかけたりしてくれる
・入院中にわたしの考えや思いを聞いてくださったり、
泣いているときにもそばにいてくださったりなど
こちらの悲しみを受け入れて認めて寄り添ってくれる
などなど。
お部屋も特に希望したわけでもないのに個室でしたし、
赤ちゃんの泣き声などが聞こえることもなく、静かな環境でした。
あゆむと蜜月のような時間を過ごさせてもらった、
あの入院期間一週間がなければ、
たぶん今のわたしはなかったと思う。
あの期間でわたしはより一層あゆむへの愛情を増やし、
一層母としての気持ちを増やし、
あゆむの死を少しずつ受け入れ、
天国へ見送ってあげなければ、という気持ちも持つことができました。
こんなに細やかにケアをしてくださった病院スタッフさん方に感謝しているし、
ぎりぎりになってそういう病院に転院するように
導いてくれたあゆむにも感謝でいっぱいです。
あゆむは本当にわたしを愛してくれていて、
せいいっぱいやってくれたんだなあ、
と感じています。
わたしのグリーフとのお付き合いは今後も生涯続くでしょう。
だからこそ、最初の段階でこんなに細やかにケアを受けたことは
とても大きかったです。
すべてのグリーフを抱える人々が、
こんな風に当たり前のようにケアを受けられればいい、
と心から思います。
みなさんの宝物がどうか常に守られますように。