祈りとあの日のきらめく空と

初めての出産と、18トリソミーと診断された我が子あゆむのこと。           あゆむは2019.1.24にこの世に生まれ、そしてお空に帰っていきました。     地上で生きる天使ママの日記。

覚悟を背負う 『待ってる 橘屋草子』(あさのあつこ/講談社文庫)

こんばんは、ナユリゼです。

 

今日はいいお天気でしたね。

亡くなったあゆむを抱っこして初めて外に出た日、

その日はとても空がきれいで雲一つなく、

静かに青く澄んできらめいていました。

切なかった。

晴れた空を見上げるとき、

わたしはいつでもこの日のことを思うでしょう。

腕の中の、あゆむの確かな重みを感じるでしょう。

 

今日の読書。

 

『待ってる 橘屋草子』(あさのあつこ/講談社文庫)

 

江戸深川に生きる庶民たちを主役にした連作短編集で、

すべてのお話に橘屋という料理茶屋が関わっています。

今、わたしはあゆむの死で嘆き悲しみ、

今後どうやって生きていくのか、と途方に暮れたりなどしていますが、

江戸時代の長屋暮らしの庶民にとっては

生きることはその日その日をなんとか切り抜けること、

であって、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。

ただ、その中でも

何かいいものがやってくるのを待って、

それを頼りに生きるのではなくて、

覚悟を背負って生きる。待たずに生きる。

 

今の日本の世の中だとこれって難しくて、

ついつい、

もっといいものが自分のもとに来るはず、

頑張ってれば報われるはず、

周りの人たちと同じようなものが得られる可能性は十分あるはず、

などと「待ってる」状態になってしまう。

そして思う通りにならなくて嘆いたり、羨んだりしてしまう。

「覚悟」も「背負う」も重くて辛いと思ってしまう。

 

だけど、案外重くも辛くもないのかもしれない。

少なくとも待ってるよりは。

 

こどもを亡くした夫婦の話があって、涙が出た。

あの子の代わりはどこにもいない。

代わりを求めてはいけないんだと思う。仕方ないんだと思う。

だけど、一生悲しいし、切ない。

それに耐えて生きていくしかないんだ。

 

あゆむはママがこんなこと思ってるなんて悲しむかな。

それとも今は仕方ないって黙って見守ってくれてるかな。

 

みなさんの宝物がいつも守られますように。

 

 

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