祈りとあの日のきらめく空と

初めての出産と、18トリソミーと診断された我が子あゆむのこと。           あゆむは2019.1.24にこの世に生まれ、そしてお空に帰っていきました。     地上で生きる天使ママの日記。

沼の中に光『「むなしさ」を感じたときに読む本』(水島広子/角川SSC新書)

こんばんは、ナユリゼです。

 

こんな本を読みました。

 

『「むなしさ」を感じたときに読む本』(水島広子/角川SSC新書

 

 

わたしは

「むなしさ」

ほど手におえない感情ってある意味他にないよね、

と常々思うのです。

 

感情にはもちろん厄介なものがいっぱいあって、

寂しさ、怒り、嫉妬などもかなりコントロールが難しいものです。

 

でも、そのどれも

むなしさ

ほどに根こそぎすべてを無効化するようなことはありません。

そういう状態に陥ってしまうとコントロールももはやできないので、

余計に厄介ですよね。

 

わたしは我が子あゆむを生まれてすぐに失って

その後、強烈なむなしさに支配され続けました。

たっぷり半年以上はずっと。

今は常に、ということはなく楽しい思いや嬉しい気持ちや

わくわくする期待感なども感じることが増えていますが、

それでもうっかりするとふとしたきっかけで

「むなしさの沼」にずぶずぶとハマリそうになることがあります。

 

なので、

この「むなしさ」という感情・感覚には

非常に興味を持っていました。

 

 

 

 

著者はむなしさについてこう書いておられます。

 

『「むなしさ」を感じるときには、決して心が健やかな状態ではありません。

(中略)

心が健やかでない、というのは、何も疲れだけではありません。期待していた成果が得られなかった、人から裏切られて傷ついた、などというときにも、「むなしさ」を感じるでしょう』

 

まさにわたしはずーっとこんな状態だったわけだなあ。

 

 

その「むなしさ」をこまかくタイプ分けして解説し、

自分のむなしさの原因を知ることで

自分の内面にある力を引き出し、健やかに生きていくためのヒントを

真剣に、まじめに、

そして優しく書いておられるのが本書の特徴です。

 

新書ですがページ数も少なく、

まとめ方も非常に分かりやすく、

読みやすい本でした。

 

序章には

『「むなしさ」を感じるときは心がまいっているときなのですから、「むなしさ」を手放す基本方針は「叱咤激励」や「難しい思考」などではなく、「癒やし」です。

(中略)

自分を癒やし、本来、自分の内面にある力を引き出してくること。それが「むなしさ」の手放しにつながります。』

とあり、

本を読み進める期待が高まります(笑)

だから今の世の中みんながみんな

癒やし

を求めるのかも。

生きる力を見出すために。

・・・なんてことも思ったりします。

疲れて傷ついてる人が多い世の中なのだ、とふと気づいてしまったりする。

 

 

さて、

本書では「むなしさ」を7つのタイプにわけて

章ごとに解説をしています。

①自分の人生をコントロールできないむなしさ

②つながりや居場所がないむなしさ

③同じことの繰り返しだ、というむなしさ

④人生の意義がわからないむなしさ

⑤自分という存在の意義が感じられないむなしさ

⑥変化に伴うむなしさ

⑦衝撃によって引き起こされるむなしさ

 

「むなしさ」と一口に言っても

細かく原因を突き詰めると

案外色々あるものです。

 

ちなみにわたしの今回の「むなしさ」は

③以外のすべてに当てはまり、

人はみな日常的にこの7つを複合的に感じては回復して、

を自力で行いながら日常を生きていると思われます。

 

回復できなくなったら

抑うつ状態、ひいてはうつ病へとつながっていく。

心のことって体に比べて軽視されがちですが、

この「回復」をうまくできるようになれば

もっと楽に生きられるのではないか

と思います。

 

なのにそんな方法誰も教えてくれないから、

ついつい外部に頼ってしまうんですよね。

他人から評価してもらったり、やさしくしてもらったりすることを

もっと!

と求めてしまうようになる。

他人からの癒やしも勿論嬉しいものだけど、

相手次第のものを頼っていると不安定だし、いつまでたっても満たされない。

だから自分の中にある力で

本質的に自分を癒やしていこう!

というのが本書の考え方なので、

非常に合理的だと思います。

 

自分で自分を癒やす

っていちばんてっとりばやいし、

自分の人生を自分でコントロールしていく、という力にもなるので

ぜひ身に着けたい力だなあ

と感じています。

 

人生では

自分がどんなに努力してもどうすることもできないことが

ときどき起こってしまいます。

そのたびにむなしさを感じて

立ち上がれなくなることもあるでしょう。

それはどうしたって仕方のないこと。

 

だから、

自分を自力でいかに癒やすか

ということを自分で知っておくと

少しは生きていくための力になる。

 

 

 

 

 

 

わたしはあゆむを亡くして思いました。

わたしは生きていかなければならないのです。

理由は、

今生きているから、です。

それ以上の意味なんて何もありません。

生きているから

生きなければいけないのです。

 

あゆむは死んでしまった。

でもわたしは生きている。

 

なぜ?

 

と思うことはもちろん自由なんですが、

泣こうがわめこうが、

今生きてるなら今は生きなければいけないのです。

これ以上に

「生かされている」

と思うことがあるでしょうか。

ああ、ありがたい

とは当然思えません

やらされ感満載です。

しばらくは納得できなすぎて

半分死んだふり

してました。

でもそんなのずっと続けるのは結局無理なんです。

 

だって

いっそ皮肉なほどに

わたしには生きていく力が有り余っているから。

 

だったら、

むなしい思いでずっと死んだふりしてるよりは

自分の中の力を引き出して、光を感じて、

本気の覚悟で生きていったほうがいいでしょう。

わたしにはその力があると今のわたしは知っている。

そしてあゆむはそのことをよく知っているからこそ

わたしのところにきてくれたのでしょう。

賢い、愛しいわたしの息子です。

 

 

水島広子さんの著作は以前も1冊読みましたが

「自分でなんとかする」

というのが前提かつ語り口が優しくて丁寧で好みです。

他にも沢山著作があるので

色々読んでみるつもり。

 

ちなみに以前読んだ本についてはこちら↓

 

nayurizeblog.hatenablog.com

 

みなさんの宝物が守られますように。