祈りとあの日のきらめく空と

初めての出産と、18トリソミーと診断された我が子あゆむのこと。           あゆむは2019.1.24にこの世に生まれ、そしてお空に帰っていきました。     地上で生きる天使ママの日記。

人生を力強く歩む 『嫌な女』(桂望実/光文社文庫)

こんばんは、ナユリゼです。

 

こんな本を読みました。

 

『嫌な女』(桂望実/光文社文庫

 

 

嫌な女 (光文社文庫)

嫌な女 (光文社文庫)

 

 

わたしは長年

シュミの読書(※基本的に自分の好みに合う、面白そうと思うものしか読まない読書)

をモットーに本を読んできた人間ですので、

自分の好みに合いそうな本を見つけるレーダー

が基本搭載されており、しかもその精度は年々高くなってきております(笑)

 

わたしの高性能レーダーは

本のタイトルや装丁、文庫だと裏表紙に書かれた内容紹介文、

パラっとページをめくった中身の文体、

等々に敏感に反応し、ハズレもおおむねありません。

(便利✨)

 

しかし、この本は予想外でした。

 

図書館の閉館時間ギリギリに行って、

予約してあった本と、あともう一冊文庫で何か借りよう、

と思ってて。

返却コーナーにあった本をあまり期待せずに適当に借りたのですが

これが期待を大幅に上回る、上回りまくる内容でした。

 

でも、わたしのレーダーやっぱり捨てたもんじゃないな、

期待せずに、と言いつつ

ちゃーんと好みの本を引き当ててくるんだから。

 

と自慢に思っています。

わたし以外の役には立たないレーダーですけどね(笑)

 

 

 

本書の主人公は

石田徹子

という非常に硬いイメージの名前を持つ、

非常に理知的でどこか冷めた、孤高の女性だ。

(と少なくとも最初の段階ではそう思う)

勉強をするのが苦にならないし、能力もあるため、

大学4年で司法試験に一発合格し、弁護士になる。

 

そして影の主人公

小谷夏子、通称なっちゃん

は外見に特にずば抜けたものはないし、

知性も全くない。

けれども「男に夢を見させる」という点では天才的で

それを無意識で駆使して男に金を出させる、

という生来の詐欺師。

自分で働くのも好まないため、

当然頻繁にトラブルを巻き起こす。

 

徹子さんとなっちゃんは「遠戚」で同い年。

 

そんなわけでなっちゃんは自分がトラブルを起こすたびに

弁護士である徹子さんに連絡する。

 

これが本書の土台となる設定であるが、

思わず唸ったのが

トラブルが徹子の元に持ち込まれるのは

数年ごと、ということです。

本書は全8章から成るのだが、章ごとの徹子(同時に夏子も)の年齢を記載すると

①24歳 ②29歳 ③36歳 ④40歳 ⑤47歳 ⑥56歳 ⑦65歳 ⑧71歳

 

つまり、この物語は

石田徹子という一人の女性の半生記や成長記でもあり、

徹子と夏子という対照的な女性の生き方の対比でもあり、

民事とは言え弁護の上での調査で、ちょっと推理のような内容もあったり、

一粒で何度も美味しい、

何度でも違う角度から違う思いを抱きそうな

そんな小説です。

 

語り手は一貫して徹子で、

なっちゃんはあくまで彼女から見た夏子、ということを徹底しているところも

とても良い。

 

読み終わってみると

『嫌な女』

ってタイトルが

なんか違う、っていう違和感がますます強くなりました。

 

近くにいると困るだろうし「嫌な女」と思うだろう。

けれど読んでるとそんな端的な言葉だけでは片づけられない。

 

なっちゃんは嫌な女だけど、

24歳から71歳まで見てくるとさすがに

「嫌な女」

だけじゃとても済ませられない。

 

本書でわたしがとっても気になった

なっちゃんの〈人生で楽しかった出来事ランキング〉の話や

徹子姫の師匠の〈どう対処するべきか分からない時にする2つの質問〉の話を

書いておきたいですが、

長くなりそうなのでまた今度かな。

 

さすがに24歳から71歳まで成長すると色々なテーマがありすぎて

とても書ききれない。

感じたことの種類が多すぎて、

わたしの手腕ではまとめきれず。

 

でも今のわたしは覚えておきたい。

今のわたしがこういう表現にこう感じた、

ということを。

それがこの先の力になる気がしてる。

 

 

では今日はいったん終了。

 

皆さんの宝物がたくさんたくさん守られますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きょうも一日ありがとう、あゆむ。だいすきだいすきだいすきだー。