祈りとあの日のきらめく空と

初めての出産と、18トリソミーと診断された我が子あゆむのこと。           あゆむは2019.1.24にこの世に生まれ、そしてお空に帰っていきました。     地上で生きる天使ママの日記。

感情アンコントローラブル 『偽善入門』(小池龍之介/小学館文庫)

こんにちは、ナユリゼです。

 

こんな本を読みました。

 

『偽善入門』(小池龍之介/小学館文庫)

偽善入門 (小学館文庫)

偽善入門 (小学館文庫)

 

 この本は現役のお坊さんが書いた本で、

この前に

『考えない練習』という本と

『苦しまない練習』という本があります。

特に一冊目の『考えない練習』は話題になった本なので

ご存じの方は多いと思います。

わたしは上記2冊は未読。

でも、どれもテーマが非常に興味深いので、後日読んでみようと思う次第。

考えない練習 (小学館文庫)

考えない練習 (小学館文庫)

 
苦しまない練習 (小学館文庫)

苦しまない練習 (小学館文庫)

 

 

で、今日は3冊目の

『偽善入門』

です。

 

偽善

 

この言葉や

そのように見える言動などに

非常にフクザツなひねくれた思いを抱いてた時期が

結構な長い期間、存在してたなあ・・・

としみじみ。

 

わたしはここ数年はすっかり

”偽善肯定派”

になりましたので、

本書についても割と抵抗なく読み進めることができました。

少し引用しますと、

 

『この世の中にはほぼ99.999パーセント、偽善しか存在しないからです』

 

と言い切られることにむしろ安心するし、

 

『「なるほど、世の中にあるものは偽善ではあるのだけれど、その中には純粋な善の心が10パーセントしか混じっていない偽善もあれば、純粋な善の心が30パーセントは入っている偽善もあれば、50パーセントほどは純粋な善の心から成り立っている偽善もある」ということに目を向けてゆくほうが有益ではないでしょうか。』

 

と言われることにも楽しくなったりします。

 

テーマが抽象的なものですし

著者が仏教の僧侶ということもあって、

できるだけ身近な話題や例をあげ、

宗教色を出来る限り出さず、

丁寧に「偽善を理解し上手に使う」ということを説明しているので

随分まだるっこしいなあ、と思う部分もありましたが、

その分とても誠実さと優しさを感じました。

そして人間臭さも。

 

 

 

思うに、

偽善の中の善の部分を素直に受け入れられるかどうかって

その時の心の状態が大いに関係している。

勿論、生まれた時から今までに積み重ねてきた経験による

考え方のクセ

みたいなものは当然ベースとしてあるとは思うんですが、

酷く落ち込んでいたり

傷ついていたりすると

善の部分を受け入れる余裕がないばかりか、

残りの偽(悪)の部分に

これ以上貶められたり傷つけられたりすることが

例え「可能性がある」というだけのことだとしても

極端にこわい。

 

「そんなの偽善だ」

と毛嫌いするような状態になっているときは

自分が弱っている部分がある、傷ついている部分がある、

ということだというバロメーターにもなるんじゃないかな、

と感じました。

 

まあ、そういうときにそのことに気づくこと自体、

かなり難しいとは思うけども。

 

 

 

 

 

わたしはあゆむが亡くなった後にも

そして今でも

周りの人から気遣いの言葉や、それとない思いやりの行動を

沢山貰っていると思います。

 

だけど、悲しくて

絶望の底にいるときには

とてもそんなの受け止められなかった。

 

「なんにも分からないくせに適当なこと言って」とか

「自分の周りに暗い人がいるのが嫌なだけでしょ」とか

よくもまあ、そんな発想湧いてくるな(笑)と思うくらいに

偽善の「偽」の方を見つけ出そうと敏感に反応し、

警戒してヤマアラシのように全身にトゲを逆立てていた。

 

今ではそんなこともほぼなくなったし、

「偽」の部分を構成する、その人の個性だとかおちゃめさ・したたかさなどを見つつ、

楽しい気持ちで「善」の部分を受け取れるようになってきてる。

 

そして、脳内でヤマアラシのように怯えてトガっていた、

ほんの少し前の自分のことも

愛しいな、って思います。自分のことなのに変だけど(笑)

 

 

そうやって自分の経験も思い起こしながら本書を読んだので、

内容が自分の中に落とし込みやすかったです。

 

本って、読んでいるときの状態が非常に重要だー、

と改めて思いました。

また違う状況のときに、もう少し年を重ねてからこの本を読めば

また得るものも違うのだろうと思います。

 

それが読書の楽しみのひとつ♪

 

 

ところで本書は見出しや小見出しが非常に多いのですが、

それらがなんかおしゃれで好きです。

著者はたぶんこういう言葉遊びみたいなのが好きなんだろーなー、

とニヤニヤします。まるで椎名林檎のアルバム曲タイトルのようだ。

「脳内ストーリー正当化ツール」とか

「偽善果汁パーセント」とか

「感情アンコントローラブル」とか

「偽善クールビューティ」とか(笑)

素敵!

 

しかもここまでやっといて、

最終見出しは

 

「空(くう)」

 

という仏教用語の1文字で静かに落とす。

(しかも本文は1ページで終わらせる)

 

おしゃれだー✨

 

やっぱり他の著作も読もう!

まずは見出しチェックだ!(笑)

 

うん、読書はほんと色んな楽しみがありますね。

 

 

 

みなさんの宝物が守られますように。